ぼっち・ざ・ろっく!アニメ1期面白かった

年は明けてしまったけど
2022年はぼっち・ざ・ろっく!1期を毎週リアルタイムに見ていた。とても面白かった。
自分は原作を1巻が出た後に「働きたくない!」とかのコマのミームから知って
それ以降は単行本で読んでてアニメどうなるかな~ぐらいのつもりで見てた。

アニメ本編の原作からのアレンジ、作画、演技、実写演出、
メディアミックス展開、楽曲とどれもが良かった。

アニメ本編について

ライブパート含め動く部分の作画がどこの回でも良かったんだけど
それより何より各話での原作からの行間の補完とアレンジがどれもとても良かった。

個人的に好きだったアレンジは
5話の「本当の夢はその先」と8話の打ち上げの「でも託された」と
最終話のスタッフロール後の「今日もバイトかぁ」がとても良かった。

「完全に原作再現」じゃなくて「原作準拠」ってこういうことだな~と思う。
原作だとライブシーンは3コマぐらいで「ジャンッ」で終わりだったし。

主要メンバーの中の人はだいたい名前は存じ上げてるけどそこまでちゃんと聞いたことはない人が多くて、
ほとんど初めて聞いたけど演技はどの回でも違和感無く映像に馴染んでて良かった。
喜多ちゃん役の長谷川育美さんが地声だと結構低いしハスキーなのに役に入るとアレが出てくるのはすごい驚いた。
あとぼっち役の青山吉能さんのことはWUGで知ってたけどこっちは全般的に滑らかに出てきててすごいね……
でも何気に一番すごかったの虹夏役の鈴代紗弓さんの演技のような気がする。

1期通して振り返るとギャグパートでの崩し方(ファンタジーな部分)がどの回も面白かったのと、
音楽が絡む部分ではその崩し方は出てこないバランス感覚がなんかすげーなと思った。
たまに挟まれる実写演出とか謎のローポリゴンの3D演出がやたら気合入ってる上に面白くて笑ってしまった。

最終話でギターを買い終わって歩いてるとこで
「いや~ほんとに……良いアニメ化だったな……」とかしみじみしてたら
転がる岩、君に朝が降る」のイントロのギターのあの音が鳴った時は
「いやいやいやそんなまさか本当にそんなことが……ほ、ほんとに?」ってなってた。
1話と最終話のサブタイトルがそうなのでそれはそうなんだけど……曲のチョイス的にもにくい演出だな~と思う。

ドサクサ日記 12/5-11 2022|Masafumi Gotoh|note
https://note.com/gotch_akg/n/n5c847dcf9aaf

note.com

『ぼっち・ざ・ろっく!』というアニメを観た。下北沢シェルターが本物とそっくりで、懐かしい気持ちになった。アジカンが何を成し遂げたのかということは、もっと年寄りにならないとわからないだろう。評価や成果は、死んでからはっきりするような気もする。しかし、いわゆるロックをある種の不良性から奪還(追記:解放と書いたほうが正しいかも)したことはひとつの成果なのではないかと『ぼっち・ざ・ろっく!』を観ながら思った。

メディアミックス展開について

アニメ放映とメディアミックス展開のテンポが近年稀に見るぐらいに良くて、
1話を見た後に「OPもEDも良い曲だったけどこれ発売いつだろう」って検索したら既に販売されてて、
そこからは「これやろうと思ったらできる事だったのか」の連続だった。
もちろん販売する側は色々大変なんだろうけど。

  • 土曜の夜24:00にアニメをAbemaで最速で放映
  • 放映が終わり次第その回の新曲があれば放映直後にSpotifyiTunes等で配信開始
  • だいたい水曜頃にラジオ配信
  • 不定期でyoutubeに編曲者(三井律郎)による新曲のギターの「弾いてみた動画」
  • 不定期でyoutube青山吉能さんがギターを練習する「ギターヒーローへの道」
  • 最終話の放映直後にフルアルバムを配信開始、4日後CD発売

自分は基本的にはAbemaで日曜朝に見て、8話と最終話だけAbemaでリアルタイムで見てたけど
毎週 放送→新曲→弾いてみた→ラジオ って間が詰まってるおかげで
全く飽きる暇が無かったしいつも次の放送が待ち遠しかった。

まとめてイッキ見みたいな視聴スタイルは各種配信のおかげでできるようになっているものの、
このメディアミックス展開のおかげで
「毎週放映されるアニメを楽しむ生活」がすごく良かった。

でも……BDは1枚で2話しか入ってないのは再生する時にとてもめんどいのと場所を取るので
最悪同じ金額でもいいから1枚に全話収めるリピートディスクみたいなやつで出してほしいです……

アルバム「結束バンド」について

作中で未公開の曲も含めどれも良かった。
でもやっぱり作中で披露された「あのバンド」「忘れてやらない」「星座になれたら」が本当に良い。
未公開の曲だと「ひみつ基地」が好き。

そんなに数知ってるわけではないんだけど
ちょっと低めの女性ボーカルのバンドサウンドがとても好きなので
アルバム丸ごとドンピシャで好きで大変困った。

地味にちょっと気になってるのは、
本編のOP・ED曲は作中では存在しない曲なのか?というのと、
これらの作中で実際に演奏されていない曲の歌詞は誰が書いた扱い(の設定)の曲なのか?というとこ。

原作では5巻までいかないとレコーディングはしていないのと、
少なくとも虹夏は原作だと自称音痴で歌ってない設定があるのと、
作中の1巻ぐらいの段階のぼっちが知り得る情報だけで書ける歌詞か?
というのを踏まえると
完全に「作中の世界で出たアルバムです!」というスタンスではないんだと思うけど、どうなんだろうなー。

まぁでも良かったので細かいことはいいか!という気持ちがある。

あとこのアルバムを曲順に再生して最後の「転がる岩、君に朝が降る」まで聴いた後で
もう1回だけ1曲目の「青春コンプレックス」を再生すると
アニメの最終話のエピローグでOPが流れるやつみたいになるのですげー良いのが気に入ってる。
個人的に最終話放送前はギターを買い直す時の「バイトやめよう!」のくだりがギャグっぽいからそうなるかなと思ってた。

たぶんこのアルバムはこの先も聴くだろうなと思う。


結束バンドの各メンバーが個々で並々ならぬ努力をするのはこの話を成立させる上で前提条件だけど
だからこそ1話での公園でのぼっちと虹夏の出会いは運命的で眩しいし
そこから人生が転がっていって
転がったことでそれぞれの変わる部分と変わらない部分とがあり、
出会えなければ生まれなかった
「他者が存在するからこそそれまでとは違う『普通』な日常と特別な瞬間」がその先にあった、
というのをしっかりした映像で見られてとても良かった。

単純に映像としても面白かったし、視聴体験としても良かったし、
色々と恵まれた本当に良いアニメ化だったと思う。
未確認ライオット編になるであろう二期も見たい。